小説

【小説レビュー】「ラプラスの魔女」:東野圭吾

 

書籍情報

著者:東野圭吾

出版社:KADOKAWA(角川文庫)

ISBN:978-4-04-105493-2

 

2018年に実写映画化された。

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あらすじ

ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2ヶ月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒事故が起こる。ふたりの被害者に共通点はあるのか。調査のため青江が現地を訪れると、またも例の彼女がそこにいた。困惑する青江の前で、彼女は次々と不思議な “力” を発揮し始める。

(東野圭吾、『ラプラスの魔女』、角川文庫、裏表紙の説明より引用)

 

感想

ラプラスの悪魔

本作のタイトル「ラプラスの魔女」は『ラプラスの悪魔』が由来になっています。

 

高校・大学で物理学を学んでいる人(学んでいた人)は知っている方も多いでしょう。

 

 

『ラプラスの悪魔』とは、フランスの数学者によって提起された存在のことです。

 

「ある瞬間に、すべての原子の位置と運動量を知ることができる存在がいるならば、その存在は物理法則に従って未来を予測できる」

 

というのが具体的な内容です。

 

まあ、実際には量子論が登場したことによって、ラプラスの悪魔は存在しえないのですが……

 

ちょっとよく分からない、って方はググってみると丁寧で理解しやすい説明が見つかると思います。

 

これから読む人は頭の片隅に置いておくと、わかりやすいかもしれません。

 

ミステリーというよりSF

東野さんの作品はミステリーと人間ドラマが調和していることで有名です。

 

ただ、本作は殺人事件を題材としながらも、ミステリーから離れた物語になっていることが特徴的です。

 

先ほど述べた通り、架空の存在『ラプラスの悪魔』を取り入れていることからSFの要素が強いように感じます。

 

今まではミステリーを主戦場としてきた東野圭吾が、SFという舞台でどんな物語を紡ぐのか。

 

読んでみてほしいです。

 

前日譚も刊行されてるよ

本作の前日譚となる「魔力の胎動」も角川文庫より出版されています。

 

短編集です。

 

私はまだ読んだことがないのですが(笑)、本作「ラプラスの魔女」が面白かったので、いつか読んでみたいと思います。

 

本作を読んで面白いと思った方はぜひ、読んでみてください。

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