児童向けの定番ミステリー、『パスワードシリーズ』第1巻
小説「パスワードは、ひ・み・つnew(改訂版)」を紹介していく。
作品情報
著者:松原秀行
出版社:講談社(青い鳥文庫)
ISBN:978-4-06-285220-3
本書はシリーズ第1巻(既巻32巻、2022年4月14日現在)
第1~6巻は改訂版が出版されている。
感想
不朽の名シリーズ
本作はタイトルの通り、1995年に刊行されたものの改訂版である。
1995年。
まだ、私が生まれてもいないころだ。
本書を読んだのは、小学生のころ。
当時でさえ、児童書の定番として名を馳せていた記憶がある。
あれから10年以上経った今、本編だけでもシリーズ32巻という驚く数字を残している。
正直、ビビった。
それくらい、人気を維持してきたということなのだろう。
インターネット上の探偵
インターネットのチャットに、小学生が集まって謎を解きあう
というのが本作のストーリーである。
私が小学生だったころは、今ほどインターネットが身近ではなかった。
スマートフォンも今ほど普及していなかったからね。
私が小学生だった時、時代の最先端が描かれている印象があり、読むたびにワクワクしたものだ。
果たして、今の小学生が読んだ場合、何を感じるのだろうか。
もし私に小学生の知り合いがいたなら、聞いてみたい質問である。
問題編と解決編
本作では大まかに問題編→解決編という構成をとっている。
ある事件・謎が提示され、その後解決していくという流れだ。
この構成になっているおかげで、読者も一緒に考えることができる。
まるで、登場人物と一緒に挑んでいるかのような感覚になるのだ。
小学生にとってこれほど楽しい読書体験はないだろう。
もし、自分の力で謎が解けたなら尚更だ。
作中で提示される謎も比較的簡単だと思う。
児童書であり、読者に解いてほしいことを考えるとちょうどいい難易度だろう。
先日紹介した、児童向けミステリー「そして五人がいなくなる」よりもトリックがわかりやすい。

こちらの方が、年齢層が下の子どもを対象にしている印象を受けた。
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