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【本レビュー】「ミステリーの書き方」:日本推理作家協会 編著

日本推理作家協会に所属する著名な作家陣が、その『ノウハウ』を語った一冊。

ミステリーの書き方」を紹介していく。

 

書籍情報

著者:日本推理作家協会 編著

出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫)

ISBN:978-4-344-42401-2

 

感想

豪華作家たちが綴ったハウツー本

本書は日本推理作家協会に所属する作家たちが、ミステリーの書き方について語ったものである。

 

その作家の中には、私が子供のころから愛読している東野圭吾をはじめ、

  • 赤川次郎
  • 綾辻行人
  • 伊坂幸太郎
  • 恩田陸

など、多くの著名な方々が含まれている。(敬略称)

 

普段からミステリーを読む人は、この名前を聞いただけで手に取りたくなってしまう一冊になっているだろう。

 

本書の魅力はそれだけではない。

 

文庫版の『あとがき』において、今野敏さんが

その意味で本書は、画期的だ。そこまで言っていいのか、と思ってしまうような内容まで含んでいる。いずれも、それぞれの分野の第一人者が、小説作法の秘密を公開しているのだ。

日本推理作家協会 編著、「ミステリーの書き方」、幻冬舎、2015年

と語っている。

 

有名作家たちの、企業秘密のようなノウハウを知ることができる点で、本書は優れているのだ。

 

そしてそれが恐ろしく実践的である。

 

ミステリー作家を志す者にとって、本書ほど有益な一冊はないと思う。

 

小説とはなにか。から始まる

本書は「ミステリーの書き方」を紹介している本である。

 

しかし、「小説とはどういうものか」という土台の部分から話が始まる。

 

 

ミステリーといっても、それは小説の中の一つのジャンルに過ぎない。

 

つまり、小説というものを理解していないと、ミステリーを語ることはできないと思う。

 

冒頭の数ページではあるが、説得力のある一冊になっていることが垣間見える。

 

作家を目指す人以外にも

ここまで、「作家を目指す者にとってどれだけ本書が有用か」紹介してきた。

 

だが、この本はそれ以外の人にも価値あるものだと思う。

 

例えば、私のようなレビュアー。

ミステリー作家のノウハウを知ることで、批評する際の見方が広がる。

 

それによって、より多角的にレビューできるようになる。

 

そして、ミステリー好きを自称する読者。

書き手側の心得を知ることで、別の視点からも物語を楽しめるようになる

 

これは大きなことだと思う。

多くのミステリー好きな人には、ぜひ読んでもらいたい一冊だ。

 

 

アイキャッチの書影画像は版元ドットコムから利用しています

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