書籍情報
出版社:新潮社(新潮文庫)
ISBN:978-4-10-100461-7
2019年にテレビドラマ化された。
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あらすじ
絶対に定時で帰ると心に決めている会社員の東山結衣。非難されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事中毒の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人・・・・・・。様々な社員と格闘しながら自分を貫く彼女だが、無茶な仕事を振って部下を潰すと噂のブラック上司が現れて!?(後略)
朱野帰子、「わたし、定時で帰ります。」、2019年、裏表紙より引用
感想
まだ働いたことはないが…
いまだに大学生である私にとって、会社員生活はかなりイメージしづらい。(バイトはやったことがあるにしても)
「わたし、定時で帰ります。」を読むと少し現実が見えてくる。
この作品は、残業せず定時に帰ることをモットーにした女性を描いた作品である。
タイトルを一目見て
『えっ、もしかして定時に帰るのって異常なことなのか!?』
と思ってしまった。
今後、就職活動が控えている身としては大変なことである。
正直なところ、私は身を粉にして働くより自分の時間を確保したい人間だ。
早く帰るために効率を上げ、短い時間で多くの仕事をすることの何が悪いのか。
わたしには全く理解できない。
だが現実は理想とはかけ離れているのだろう、たぶん、おそらく…
本作を読んでいると、就職へと向かっていくことが憂鬱になってくる。
女性は大変そうだなあ
本作の作者 “朱野帰子” さんは会社勤務の経験があるらしい。
この作品はおそらく、彼女の経験をもとに描いていると思う。
おそらく、主人公の “結衣” が直面することも現実に基づいているのだろう。
作中では出産から復職してきた人が描かれる。(結衣ではない)
圧倒的に大変そうだ。身体的にも、メンタル的にも。
制度的な問題が存在する会社もあるだろうし、制度はあっても職場の人間から理解が得られないこともあるのだろう。
もし周りから理解が得られたとしても、休んでいる間に職場環境が変わってしまうこともあるだろう。
遅れている部分が数多くあるのだなあ、と感じてしまった。
私個人としては、将来会社に入ったときに物事に寛容で、理解が示せる人間でありたいと思う。
こんなやついるのか!?
本作を読んでいて「こんな嫌なやつ、この世に存在するんか!?」と思うことがあった。
おそらくいるのだろう。
というより、存在すると思って会社に入った方がいい気がする。
そのほうが気持ちが落ちなくて済む。
というか、あんな人間生み出してしまう『会社』って魔界なの?
弓矢と剣を持った殺戮機械とか、翼の生えた悪魔が生息しているところなの?
まじで、行きたくないなあ。
というか、これこそ上司ガチャと呼ばれても仕方ない気がする。
こんな環境に真っ向から立ち向かった主人公 “結衣” はマジですごいよ。
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