小説

【小説レビュー】「ジョゼと虎と魚たち」:田辺聖子

実写・アニメ映画化された表題作を含む短編集

小説「ジョゼと虎と魚たち」を紹介していく。

 

作品情報

著者:田辺聖子

出版社:KADOKAWA(角川文庫)

ISBN:978-4-04-131418-0

 

2003年に日本版、2020年に韓国版の実写映画が公開された。

 

2020年にはアニメ映画が公開された。

 

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あらすじ

足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。世間から身を隠すように暮らし、ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」はじめ、仕事をもったオトナの女性たちを主人公に、さまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇計9篇を収録した珠玉の作品集。(後略)

田辺聖子、「ジョゼと虎と魚たち」、KADOKAWA、1987年、裏表紙より引用

 

感想

映画化の際見ようと思ったが…

アニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」が2020年12月に公開された。

 

予告編における映像や音楽が素晴らしく、イラストも好みだったので見に行こうと思っていた。

 

だが、結局劇場で見ることはなかった。

 

 

それから1年以上たった、2022年2月。

 

この作品の原作が小説であることを知った私は、読書レビューを書くために、とりあえずアニメ映画を見てみることにした。

 

 

 

いやー、すごくよかった。

言葉に表せないくらい素晴らしい作品だった。

 

 

見始めて最初の15分くらいで

「この映画、神作なのでは!!!!」と思わせてくる映画、そんなにないのでは。

 

 

この記事に行きついた多くの人はこの映画を見て、このページに来たのだと思う。

 

そんなあなたなら、私が言いたいことをよくわかってくれると信じてる。

 

逆に、この映画を見ていないそこのあなた。

 

ぜひ見てほしい。

本当に、切実に、心の底から見てほしいと思ってる。

 

人に薦めたくなるくらい、いい作品なのだ。

 

短編集のうちの1つ

そんな素晴らしい作品を見てしまうと、原作の方も気になってくるのがオタクの性である。

(もともと、小説読むために映画見たっていう部分はあるけども)

 

映画を見た後、超特急で近所の書店に行き買ってきた。

 

さあ読もうと思ったその瞬間、私はあることに気づく。

ご存じの通りこの本、短編集なのである

 

さらに驚いたことに、表題作はページにして30もなかったのだ

 

 

それに加え、内容も結構違う。

ストーリー、キャラクター設定、アニメのみ登場する人物、etc.

 

ここまで違うと、少ない情報から映画を作り上げた制作陣の凄さが際立ってくる。

 

私にとっての指南書

当たり前のことだが、短編集なので他の物語も収録されている。

 

 

表題作「ジョゼと虎と魚たち」に限らず、どの物語も女性が主人公で、その視点でストーリーが進んでいく。

 

ここが本書の大きな特徴であろう。

 

 

正直な話、男である私にとって『女性が描く女性の心情』は共感できない場合が多い。

 

(男性が描く、女性主人公は分かりやすいんだけどね。)

 

これは自分の経験不足によるものが多いと思う。

しかし、男女によって考え方が根本的に違う部分があるので、仕方のないことだとも思う。

 

 

ある意味この小説は、男性にとって女性の考え方を学ぶ指南書のように感じる。

 

逆に女性が読むと、より多くの共感を生む作品なのかもしれない。

 

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