少年は、ある日野生のバニーガールと出会った。
今回は『青春ブタ野郎シリーズ』第一巻を紹介していきます。
書籍情報
著者:鴨志田一
イラスト:溝口ケージ @Keji_NtyPe
出版社:KADOKAWA(電撃文庫)
ISBN:978-4-04-866487-5
略称は「青ブタ」。
(※通常のシリーズ物は『シリーズ名+巻数』という書籍のタイトルになっていることが多いが、本作は1巻ごとにタイトルが異なる。)
2018年にアニメ化、その翌年2019年にはアニメ映画化された。
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映画(Amazon)↓
コミカライズ化もされている。
あらすじ
高校二年生の “梓川 咲太” はある日図書館で野生のバニーガールと出会った。
彼女は国民的女優で高校の先輩の “桜島麻衣“。彼女はなぜこんな格好をしていたのか。
ここから、彼と彼女たちにまつわる恋愛的物語が今始まったのだった。
作品の魅力、感想
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ラノベでありながら強いメッセージ性
ライトノベルって聞くと異世界転生して無敵になったり、ただ単に多くの女の子とイチャイチャしたり、というイメージを抱く人も多いと思う。
事実、私もこのうちの1人だった。
確かに、この「青ブタ」という作品は後者のような内容も含んでいる。
しかし、数多く存在するライトノベルという小説のジャンルにおいて、多くの支持を得ているのは、作品に内在する確かなメッセージ性からだと思う。
「ああ、同じようなことが周りでも起こっているなあ」とか、「あのとき、こう考えればよかったのかも」と感じる部分があると思う。特に現在中高生の人には。
このメッセージ性が架空の物語である「青ブタ」を、より身近な作品にしてくれると思う。
高校という名の閉ざされた箱
多くの人が通うことになる、もしくは卒業した高校。
大学生になった今だから気づけることがある。
それは高校という場所はどこか異様な空気感が流れているということだ。
クラス内、部活内にカーストが存在していて、それに従わなければその関係性にすら入れなくなるようなじっとりとした空気感が。
加えて、その中にいると外の世界が分からなくなる。
学校が自分の住む世界のすべてなんだ、ここ以外に居場所はないんだ、と。
もし本作を高校生のときに読んでいたら、そんな空気感を鼻で笑って過ごせるくらいに気持ちは軽かったかもしれない、と思う。
同じような不安を抱えている人に、ぜひ読んでみてもらいたい一冊だ。
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