久方ぶりです、ウーゴです。
今回紹介する本は、比較的最近刊行されたものです。
殺し屋シリーズですね。
このシリーズは今のところ3冊、文庫として出版されていて「AX」は最新作にあたります。旧作2つに関しては、もう読んで感想を書いているので見てくださるとうれしいです。


さて、今作は上の2つとは異なり私にとって初めて読む作品でした。
「グラスホッパー」と「マリアビートル」は数年前に一度読んだことがあったので
ああこんな感じだったなあ、と過ぎ去りし時を懐古しながら読んだものです。
今回は逆に読む前までずっとうずうず、ワクワクしていました。
読み始めてからはスラスラと進んでいき、読み終わるまでに一日かからなかったです。
本作は過去のシリーズと同じく殺し屋たちが暗躍するストーリーです。
「兜」は超一流の殺し屋だが、
家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考え始めたのは、
克巳が生まれた頃だった。
引退に必要なお金を稼ぐために
仕方なく仕事を続けていたある日、
爆弾職人を軽々と始末した兜は、
意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、
家族はもちろん、知らない。
(引用:伊坂幸太郎 『AX』 角川文庫、2020年、背表紙のあらすじより抜粋)
この通り、本作では「兜」という殺し屋が出てきます。
この人もシリーズの登場人物と同じように人を殺めているのにも関わらず、キャラクターとしてとても魅力的なんですよね。彼の妻に対する行動と発言が面白すぎて、思わず笑ってしまうほどでした。
奥さんの言葉を深読みしすぎなんですよね(笑)
この恐妻家ぶりも、物語が後半に入ると少し見方が変わるのですが、それは自分で読んで確かめてみてください。
このシリーズの登場人物は、浮世離れしているのにもかかわらずどこか愛らしく、共感できるんですよね。こんな魅力があるキャラクターは他にないので、作品ごとに好きな人物ができます。
今回は「兜」が中心に話が進んでいくのですが、一応あの方々も出てきます。
シリーズを読んでいる人はより楽しめると思いますよ。
伊坂さんの作品はまだ網羅しきれてない部分があるので、これからも読んでいきたいです。
そろそろ「ホワイトラビット」とかが文庫化されるのかなあ、と思ってみたりもして。
というわけで今回はここまで
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考文献:伊坂幸太郎 『AX』 角川文庫、2020年 ISBN978-4-04-108442-7
※アイキャッチの書影画像は版元ドットコムから利用しています
コメント