小説

【小説レビュー】「マリアビートル」:伊坂幸太郎 -殺し屋シリーズ-

今回紹介する本はこちら。

 

この前UPした「グラスホッパー」の続編です。

【小説レビュー】「グラスホッパー」:伊坂幸太郎 -殺し屋シリーズ-
有名な『殺し屋シリーズ』の最初の巻です。

 

続編という位置づけで、共通の登場人物も出てくるのですが

話自体はつながっていないので、どちらからでも楽しめると思います。

 

 

物語は前作同様、複数の殺し屋の視点で進んでいきます。

違うのは、舞台が新幹線の車内であるということです。

 

新幹線という密室の空間でどんな展開を見せるのでしょうか。

 

登場人物の名前は今回も独特で

”木村”、”王子”、”蜜柑”、”檸檬”、”天道虫”

の5人の視点でストーリーが展開していきます。

 

名前の通り、やはり独特な人物ばかりです。

 

私はこの中だと”王子”が面白かったです

 

面白い、というより印象的だったの方が言葉として正しいのでしょう。

 

理由として、彼が紛れもないサイコパスであることも一つですが

特に彼がたびたび問いかけていた

『人を殺すことはなぜダメなの?』

という質問がかなり印象的だったこともあります。

 

私もかなり考えさせられました。

 

もし自分に問いかけられたら、ありきたりで偽善的な回答しかできないでしょう。

 

この問いかけのように、世の中で禁止されていることの根底の理由を考えてみると案外、新しい発見があるのかもしれません

 

 

 

少し話が変わりますが、私がこの作品(とグラスホッパー)を読んだのは今回が初めてではありません。

最初に読んだのはおそらく4,5年前だと記憶しています。

 

その時はただただ面白い作品であるという風にしか思いませんでした。

(私が幼かったこともありますが)

 

しかし今回読んでみると(特にマリアビートル)

メッセージ性に富んでいて考えさせられる場面が多かったです。

 

年を重ねると、ものの見方や考え方がかなり変わるのだと実感しました。

 

昔読んだ本を見返してみるのもいいですね。

 

 

 

※アイキャッチの書影画像は版元ドットコムから利用しています

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