『猫』
ふかふかしていて、触ると気持ちいい。
望んだ時には来てくれないけど、本当につらい時には寄り添ってくれる。
そんな猫がもし存在しなかったら…..
そんなことは考えることは出来ない。
しかしそんな状況を想起させてくれる物語がある。
それが「世界から猫が消えたなら」である。
この作品は映画プロデューサーである ”川村元気” の作家デビュー作品である。
ちなみに映画化もされている。
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映画は見たことがあったのだが、断片的にしか覚えていなかった。
そのおかげで小説を新鮮な気持ちで読むことができた。
ここで突然だが、私は猫を飼っている。
いや正直に言うと、実家に二匹いる。
最近、黒猫が1匹増えたらしく、親からたくさんの写真が送られてくる。
とまあ、ここで私の話はいったん置いておこう。
もし猫が存在しなかったら。
もし猫の消失と引き換えに、自分が存在できるとしたら。
この本を読んでいると、そんな思考の渦に巻き込まれる。
「大切なものは失ってはじめて、それが大切だと気づく」とよく言うが本当にその通りだと思う。
もし猫が明日から存在しなくなると知ったら、おそらく私は猫をより愛しく思うだろう。
それは自分の死も一緒だと思う。本書にも『死』が大きくかかわってくる。
普段意識することのない自分の死。
普段、何気なく生活していると、自分には時間が無限にあるのではと錯覚してしまう。
本当はもっと時間を大切に使うべきなのかもしれない。
しかしそれと同時に自分の死から離れて日々を楽しく過ごすこと。それは人間に与えられた特権、とも考えられる。
おそらくどっちも正しいのだろう。
願わくば、時間を大切にしながら死について考えずに日々を過ごしたい……
猫の存在だけでなく、自分の存在についても考えざるを得ない。
それがこの作品の魅力であると思う。
みんなも読んでみてね。
今回はここまで
最後までご覧いただきありがとうございます。
じゃあね
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