小説

【小説レビュー】「いつまでも白い羽根」:藤岡陽子

看護学校での一人の女性の物語。

それが本作「いつまでも白い羽根」である。

 

 

 

この作品は2009年6月に光文社から刊行された文芸書を文庫化したものです。

 

2018年には実写ドラマ化されています。

 

テレビドラマ公式サイト↓

いつまでも白い羽根|東海テレビ
2018年4月7日(土)よる11時40分 放送スタート

 

 

第一話(Amazon)↓


#1 もう辞める?

 

主人公の “木崎 瑠美” は大学受験に失敗し、不本意ながら看護学校に進学することになります。そこでの友人との出会いや、恋焦がれる人との出会いが彼女を成長させていきます。

 

 

本作の一番の魅力は現実感でしょう。

よくあるフィクションのように奇跡が起こるわけでもなく、度重なる不幸が訪れるわけでもなく、穏やかな川のようにストーリーが進行していきます。

 

もちろん、看護師という職業を主題にしているため、病院が舞台となり、命が消えゆくさまが克明に描かれることもあります。

 

看護師が実際どのような仕事をしていて、どのような苦労があるのか知る手掛かりになるでしょう。

 

 

さて、本作の主人公 “瑠美” は最初冷めていて、とてもリアリスティックな人物です。

 

読んでいると高校1年生の自分を見ているようで、歯痒かったです笑。

 

彼女の心情を追っていくと共感できることばかりで、かなり面白かった(笑)。ここまで共感できる人物は今までになかったかな。

 

物事を現実的にとらえ、客観視し分析しているのにも関わらず、どこか期待を抱いてしまう。

そんな彼女は本当に実在していそうな等身大の女性に感じます。

 

 

彼女は受験に失敗して、看護学校という選択を選びました。もし私が大学受験に失敗していたら今頃どうなっていたのだろうと思います。

 

自分の希望した場所ではないところで、自分を貫けるのか。自分だったら受験の失敗によって、その他のことまで挫折するのではないか感じました。

 

そんな中で彼女が続けることができたのは、やはり親友である “千夏” との出会いが大きかったでしょう。

個人的に、辛いことや苦しいことを乗り越えるのに一番重要なことは、周りの支えだと思っているので。

 

自分も友達がいなかったら、大学行きたくなくなってるでしょうし。というか友達いても、行きたくなくなってましたし。

 

なんにせよ出会いは大事にしたいと改めて感じました。

 

 

今回はここまで

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

※アイキャッチの書影画像は版元ドットコムから利用しています

コメント

タイトルとURLをコピーしました