小説

【小説】「最後の医者は桜を見上げて君を想う」:二宮敦人 -死生観-

『死』

 

この言葉について最初に考えたのは私が中学生のころであろう。

 

思春期を迎えていた私にとって、この一文字は身の毛もよだつほど恐ろしい言葉であったことを覚えている。

 

そしてそれは今でも変わらない。

 

 

当時考えるのが苦しかった私は確か母親に相談をした。

 

そして、もらったのは

「あまりに先でどうにもならないことは考えても意味がない」

のような言葉だった気がする。

 

私はその言葉をそのまま咀嚼せず飲み込み、考えないようにしてきた。

 

そしてこの本に出会った

 

本作は題名の通り、ある病院での医者と患者の葛藤の物語である。

ノンフィクションであるが

その物語は私の脳に鮮明な映像を焼きつけるほど、現実感にあふれている。

 

特に患者が死へと向かう様子が、克明に描かれているので

読む人によってはとても辛い話になるかもしれない(私もそうだった)

 

そして私は読んでいくうちに『死』について考えざるを得なかった。

避けてきたものに対して向き合う必要があった。

 

死というものはどんな人にも訪れる平等なもの、ということはわかっている、頭では理解している。

 

ただ、普段生活していると死が自分から遠いものであるように感じてしまう。

 

明日、明後日、もしかしたら一時間後に自分に降りかかってくるのかもしれない、そういうものであるということを改めて実感した。

 

本当にありきたりな答えで申し訳ないのだが、時間を大切に使っていきたいと思った。

 

 

 

この本には続編があるので機会があれば読んでみたいと思う。

 

 

今回はここまで

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

じゃあね

 

 

 

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